「へ? あたし?」
「は、はい、そうです。あ、あの〜、新日本女子プロレスの道場がこの近くにあるハズなんですけど、わかりませんか?」
「しんにっぽんじょしプロレス〜? あなた、プロレスラーなの? あんまりそんなふうには見えないけど…」
「い、いえ、あたしまだレスラーじゃなくて…その、だから、テストがあるから合格したらレスラーになれるかもしれないんだけど…」
話しかけてきた少女の焦りをよそに、もう一人の少女は興味を示した。
プロレスのテスト…なんだか、面白そうだ。
「まあ、待ちなさいって。おもしろそうだから、あたしも一緒に探してあげるわよ」
「本当!? あ、ありがとう! 助かりますぅ!」
「確か、さっき交番があったハズだから、そこできこうよ。あ、あたし武藤めぐみ。めぐみって呼んでいいよ。あなたの名前は?」
「あ、あたしは結城千種っていいます!」
武藤めぐみ。
結城千種。
これが2人の天使の運命の出会いであった。
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