「こんにちわーっ。あのお、あたし、キューティ金井っていいますけどお」
「あーっ! あっ、あっ!」
「? あ、ごめんなさい、おジャマでしたあ?」
「い、いえいえ! あの、新日本女子のキューティ金井さんですよね…!?」
「わあ、あたしのコト知ってくれてるんですかあ? えへへ、実は今日、日本からレスラーがやってくるって聞いて、楽しみにしてたの。ここにはあまり日本人がいなくって」
「そ、そうなんですか? あ、私、大高はるみって言います。よろしくお願いします!」
「はるみちゃんね? こっちこそよろしく。それでね、はるみちゃん。いきなりなんだけど、もしよかったら、あたしとタッグを組まない?」
「え…? か、金井さんと?」
アジアタッグを取ったことのある同期の永原や富沢と違ってタッグのベルトを巻いたことのない金井。
メキシコ遠征はあくまでシングルでの参戦だったが、はるみの試合を見てメキシコタッグベルトを狙えると思ったのだという。
まだ駆け出しの自分がベルトを狙える…それは、はるみにも願ってもないチャンスだった。
「喜んで! 金井さん、よろしくお願いします!」
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